★自転車を活用した地域活性化の取組
<NPO法人ツール・ド・おきなわ協会(沖縄県名護市)>
沖縄県北部やんばる路の公道を封鎖してのUCI公認レースと市民レースの甲子園と位置づけされるツールドおきなわ大会である。28年も継続した、サイクルスボーツの草分け的存在であり、その持続性は素晴らしい。県内の中核都市から離島までを含む12市町村内をコースとして設定しており、県北の振興及び活性化を促進している優良事例である。海外からの参加者も増加傾向にあるなど、インバウンドを意識した事業となっており、単にスポーツとしてのみならず、地域活性化の重要な事業となっている。
★ようこそ、利賀のおもてなしへ ~TOGA天空トレイルラン~
<TOGA天空トレイル大会実行委員会(富山県南砺市利賀村)>
廃止されたスキー場など地域資源を有効活用した取組みである。人口減少、高齢化の進む地域で、若者を含む交流人口の拡大に寄与し、地元のお年寄りも喜んで参画できる仕組みを作っている。ネパールやギリシャとも連携した天空の国際都市・利賀村の新たな試みとして評価される。大会の翌日にはオプショナルツアーを開催するなど、今後も観光振興にも寄与することが期待される。大会運営に創意工夫が見られ、地域資源の活用、課題への取り組みなど、継続して取り組んでほしい事業であり、今後の一層の発展を期待したい。
★「マラソン」と「フェスティバル」の同時開催によるスポーツ振興と地域振興の両立
<一般社団法人東北風土マラソン&フェスティバル(宮城県登米市)>
マラソンをしながら10箇所のエイドステーションで提供される20種類以上の東北各地の名産品を食しながら、「風土」と「フード」を楽しむフェスティバルで、食とスポーツを組み合わせたユニークなスポーツツーリズムである。スポーツと観光と地域振興を見事に組み合わせ、国内外からの参加を得ている素晴らしい事業。特に、公的助成金に頼らず、最初から事業性、継続性を踏まえた綿密な計画に基づき運営されている点が優れており、ますますの発展が期待される。地域資源を最大限に活用し、県内外から多くの観光客等を呼び込んでいる優良事例である。
★第4回東尋坊愛のマラニック
<東尋坊愛のマラニック実行委員会(福井県坂井市)>
暴れ僧(東尋坊)と綾姫のラブストーリー、という物語が良く、スポーツツーリズムにもストーリーが必要であることを示した好例である。“東尋坊”は自殺の名所というイメージが付いているが、それを払拭するために「東尋坊と綾姫」の愛の聖地としてスタート時に“愛してるよ!”と叫ぶことも斬新。まちをあげての、市民の自主的参画による、味わいのあるマラニック(マラソン+ピクニック)で、ツーリズムまで広がりを見せている。地元の食品、伝統食などをふんだんに供し、地元のアイデアも活かされた魅力的な事業で、通過型の観光地の課題を解決する取組みである。
★環境スポーツイベント「SEA TO SUMMIT」
<株式会社モンベル(大阪府大阪市)>
海、川、山と3つのステージを使った取組みの大きなイベントである。高低差のある活動が面白い。ケネディ大使の参加やセーラム市長の視察など国際的な活動にもなっている。スポーツアクティビティーを通じて「環境」を考えるという視点が新しく、大会前日の環境シンポジウムも評価できる。スポーツ、健康、環境、地域づくりなど、幅広いテーマを取り入れた非常に有意義な取り組みであり、今後のさらなる展開が期待される。
★ひとづくり まちづくり スポーツを活かした地域振興 伊勢志摩・里海トライアスロン
<一般社団法人志摩スポーツコミッション(三重県志摩市阿児町)>
トライアスロン競技として広く認知されており、毎年、毎回の工夫、改善の成果が表れている。市民の声も吸い上げ、商店街のコースを設定するなど、地域の多様な人々の参画を得ている素晴らしい大会で、スポーツコミッションの役割が目立つ成功例である。国立公園という絶好の地形を活用し、かつ地域コミュニティーを巻き込んでスポーツ観光都市の実現を図る試みとして大いに期待したい。今年度については伊勢志摩サミットが行われるなど注目度が上がった地域であり、スポーツツーリズムにも注目が集まることが期待される。
★北海道バーバリアンズ「夢は想えば必ず叶う」
<NPO法人北海道バーバリアンズラグビーアンドスポーツクラブ(北海道札幌市)>
40年の非常に長い歴史をもつ地域ラグビーチームの取り組みであり、7人制ラグビーや2019年ラグビーW杯など発展も見込まれる。ラグビーを軸にして、活動内容の幅も広がってきており、新たな地域連携・活性化が注目される。地域との密着度もよい。クレジットカードや自動販売機などの持続的運営に向けた積極的な取り組みは高く評価したい。さまざまな取組で地域を盛り上げており、今後の活動に期待したい。
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